ゴーン・ガール

ぐいぐいと進む物語に振り回されて、誰を応援していたのかわからなくなってしまいました。

完璧な瞬間を演じ続けるのか、諦めるのか。『嘔吐』の一幕を思い浮かべました。

第七官界彷徨

カラフルで賑やかな物語なのに、なにか薄い膜のようなもので隔てられているように感じます。爽やかで静かな印象を受けました。

登場人物たちのままならなさに惹かれます。

プレイタイム

 

退屈な前半から、不思議な高揚感のある後半へと展開していきます。映画とは違いますが、モグワイやザ・フィールドの曲を思い出しました。

ミニマルでノイズでシューゲイザー。

アンダーグラウンド

ユーゴスラビアの歴史を知りません。そのせいで理解できていない魅力も多くあるのだろうと思います。それでも、映画の持つエネルギーの大きさにただただ圧倒されました。

素晴らしい音楽と、とてつもない（過剰な）熱量で、ほんともうそもひっくるめた「かつて一つだった国」の歴史を謳いあげます。

戦争も、友情も、裏切りも、苦悩も、いくつもの時代を駆け抜けた最後。その宴。そこでのクロの言葉が印象的でした。

風立ちぬ

美しい映画でした。二郎とカプローニが出会う夢は幻想的で、彼らの立つ草原は美しくもあり、寂しくもありました。

飛行機を作りたい。でも、それは兵器でもある。菜穂子と暮らしたい。でも、それが彼女を死なせてしまう。矛盾した夢はとうとう破裂してしまいます。風は止み、夢を砕かれ、多くの命を奪った。それでも菜穂子は二郎に〝生きて〟と託すのです。

ここが地獄でも、（全てを失っても）生きていかなきゃならない。自分にそう言ってもらえた気がして、勝手に感謝してしまいました。

この後、彼は少しばかり休んで再び立ち上がる。僕はそう信じています。

風立ちぬ

監督・ 脚本・原作 ： 宮崎駿

製作 ： 奥田誠治、福山亮一、藤巻直哉

出演者 ： 庵野秀明、瀧本美織

音楽 ： 久石譲

撮影 ： 奥井敦

編集 ： 瀬山武司

公開 ： 2013年

上映時間 ： 126分

製作国 ： 日本

秋刀魚の味

花嫁姿の岩下志麻さんが、はっと息を飲むほど美しかったです。

同級生3人が小料理屋で気楽に、すいすいと酒を飲むところもすごく好きで、自分もいつかあんなふうになれればと憧れました。

秋刀魚の味

監督・脚本 ： 小津安二郎

脚本 ： 野田高梧

製作 ： 山内静夫

出演者 ： 岩下志麻、笠智衆

音楽 ： 斎藤高順

撮影 ： 厚田雄春

編集 ： 浜村義康

公開 ： 1962年

上映時間 ： 113分

製作国 ： 日本

五月のミル

 

五月革命、ブルジョワ、召使い。いろいろな思想や政治、風刺テーマがあるのでしょう。ただ、そんなことは関係無しに、いきいきとしたピクニックの場面が好きでした。

外界から断絶した世界。外が騒がしければ騒がしいほど、内側の時間やのんきさ、太陽の光と新緑が鮮やかに、はかなく映ります。

五月のミル ( Milou en mai 、May Fools )

監督 ： ルイ・マル

脚本 ： ジャン＝クロード・カリエール

製作 ： ルイ・マルヴィン・セントマル

出演者 ： ミュウ・ミュウ、ミシェル・ピコリ、ミシェル・デュショソイ、ドミニク・ブラン

音楽 ： ステファン・グラッペリ

撮影 ： レナート·ベルタ

編集 ： エマニュエル·カストロ

公開 ： 1990年

上映時間 ： 107分

製作国 ： フランス、イタリア